車を修理に出して直ったはずなのに早くも不具合がでてる・・・。
全然現状復帰してない・・・。
そんな経験をお持ちの方もいることでしょう。
少なからず人間が修理するので、このようなことはたまに発生することがあります。
修理業者もほぼ「専門業者」で、決して手を抜いているわけではなく、気付かなかったと言う場合がほとんどです。
しかし結論として、修理箇所の不具合クレームはほぼ無償で再修理が可能と言えるでしょう。
今回は、鈑金塗装業者の筆者目線から、主にどのような不具合が発生し、無料で対応してくれるのかを掘り下げていきます。
大前提として保険修理と考え、この業界では「保険修理=現状復帰」を意味しています。
その考えを元に、ご紹介していきます。
車の前面事故修理の不具合

最も多い修理後の不具合では、エアコンのガス漏れです。
前面に取り付けられているエアコンガスを注入する部品を「コンデンサ」と呼びます。
コンデンサは基本的には1mmでも傷があれば交換しますが、この傷が見落とされることがたまにあります。
修理の際には特に不具合無くエアコンが効いていても、その後乗り続けているうちに、エアコンの効きが悪くなってくるのです。
修理前にすでに発生していたコンデンサの微妙な変形が、その後の乗車の振動などの影響により、さらに悪化していくからです。
ガスが漏れてしまえば、冷たい風は出てこなくなります。
家庭用のエアコンも同様ですが、スイッチは入るが風が生ぬるいといった状況になっていきます。
この場合、すぐにクレームとして対応してもらえますので、事前に連絡をしておけば一日とかからず修復することが出来ます。
車の塗装が剥がれる不具合

車の塗装が剥がれる不具合は中古車購入時などにもよく見られる事例ですが、修理の場合でも後に不具合として稀に起こります。
これは塗装を行う際に、下地作り工程で「足付け」という作業があります。
塗装面に細かな傷を付けることで塗装の表面積が増加し、塗料の密着性を飛躍的に向上させるための作業です。
この足付け作業を行わなければ、数週間としないうちにペリペリと剥がれてしまうことになります。
全体的に足付けを行ったつもりが、どこか一箇所だけでも甘いと、それが原因で塗装剥がれを起こします。
塗装剥がれの不具合クレームについても無料で対応可能で、一般的に2日~3日程度の期間が必要です。
車内が雨漏りする不具合

修理後の車のドア付近やトランク内などに稀に雨漏りが見受けられることがあります。
別々に説明していきます。
ドア付近の雨漏れの場合
ドアの場合は取り付けが斜めになってしまい、ウェザーストリップと呼ばれるドアの内側に取り付けられている黒いゴムがしっかりと接触していないことが原因で雨漏れを起こすことが原因です。
基本的には取り付け直しだけで済むことが多いので、数時間で修復対応可能です。
トランク内が雨漏れの場合
トランクに関しては、バックパネルと呼ばれるバンパーの内側を交換した際に、コーキング処理などが綺麗に行われていない場合、内部へ水が浸入してきます。
バックパネルを交換してあれば必ず溶接作業は行っていますので、それでも雨漏りが発生しているのであれば、サビがパネルに発生していると考えて間違いないでしょう。
一度発生したサビは削らなければ取り除くことは不可能ですので、完全に修理するにはバックパネル自体を交換する必要があります。
この場合の工期はおよそ一週間程度でしょうか。
新たにバックパネルを交換するとなれば10万円近い損失が発生しますので、業者側としては行いたくない作業です。
しかし、保険を使って修理する際は必ず上記のサビも取ってもらい、完全な状態へと修復してもらいましょう。
車修理の不具合クレーム・まとめ
保険を使用しての保険修理とは「現状復帰」を意味しています。
現状は事故を起こす前の状態ですので、以前と異なる状況が見られれば、それは全てクレームとして対応可能です。
どのような細かなことでも対応してもらえますので、気になる点はすぐに相談してみましょう。
原則として、保険修理の場合のクレームは全て無料で行ってくれます。
業者側の見落としだとしても「保険修理=現状復帰」として見積もりを作っていますので、ユーザーはそのことをしっかりと把握しておきましょう。
時間が経てば、業者もなんとでも言えるようになってきかねません。
保険を使っての現状復帰修理の依頼に対しての不具合は、どんな場合であれ、業者のミスに繋がってきます。
手間にはなっても、必ず対応してくれるはずなので、安心して再修理を依頼しましょう。