車を運転していて「最近、坂道を登りづらくなった」と感じることは何度もあるかと思います。
「重たいものを載せているからかな?」
「古くなったからかな?」
など、様々な事を思い浮かべる人も多いかと思いますが、そのほとんどの場合、坂道を登りづらいと感じるのは「車のミッション部分が原因」という事をご存知でしょうか。
注意:AT車であってもミッション部分は存在し、ここでのご紹介はAT車両・MT車両、両方で使える考えです。
それ以外には、走行距離が長くなり、エンジン自体の出力が低下することも考えられますが、これはあまり見られる事例ではありません。
その上、エンジン自体の出力が原因の場合は素人ではなおせません。
この場合は放置すると動かなくなることもありますので、すぐに修理工場などで見てもらうべきでしょう。
さて、今回の著者は自動車修理を生業としているので、その目線から「坂道を登らない車・登りづらい車・スピードが出ない時の異常」について各項目ごとに解説していきます。
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まず今回は、車の坂道トラブルはミッションに原因が多く見られるので「ミッション」について解説していきます。
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『ミッションについて』坂道を登らない車・登りづらい車ver

※ここでのミッションは「マニュアル車」ではなく、車内部に必ず内蔵される機器のミッションを表しています。AT・MT車両共通で当てはまります。
ミッションとは「トランスミッション」の略であり、エンジンからの動力を各ギアへ伝えるための部品で、AT/MT車両共に、車には必ず存在する部分です。
このミッション部分は歯車構造になっており、1速2速(1段2段)と各ギアへ変更し、回転数やスピードに応じてそれぞれの歯車を選択する仕組みです。
ミッションはとても大きく、基本的には分解整備はしません。
内部が複雑な構造になっており、部品点数が非常に多く、分解整備をするだけの時間や手間を考えると、新たに購入した方が安いです。
またミッション内にはクラッチと呼ばれる部品があり、クラッチとギアが上手く噛み合わないことで「すべり」という現象が発生します。
この「すべり」は、自転車のギアに例えると分かりやすいですが、1段2段とスムーズに変則が出来ていれば、本来坂道などにもすぐに対応できるのです。
しかし、部品の磨耗やスムーズに変則させるためのオイルがなくなりかけると上手く噛み合わなくなり、坂道を登りづらく感じたり、力そのものが弱くなる現象が起こります。
AT車は基本的にエンジンの回転数に応じてギアが変更されますので、ミッション事態に不具合が発生していると回転数を認識する装置が正しい回転数を認識できません。
このような不具合が発生する場合の改善策は下記にに続きます。
【力が足りなく感じる】 坂道を登らない・登りづらい
坂道を登らない・登りづらく感じる場合、車が正確なギアを選択できないケースがほとんどで、回転数が下がっているにも関わらず、高いギアを選択していまい力不足に陥ってしまっています。
この場合、一旦その場での対処法は、アクセルペダルをさらに深く踏み込むことでギアを下げることが可能になります。
ギアが下がればパワーは上がるので、坂道をその場では登り切ることができ、その場は乗り切れます。
スピードが落ちてきたと感じたら、まずアクセルを奥まで踏み込みましょう。
直し方についてはいたって簡単で、車が正確なギアを選択できるように、エンジンオイルの補充を行います。
エンジンが壊れていない限りは、直ぐに解決できるでしょう。
オイル切れ or CVTオイルをミッションに使っている
オイル切れとは、単純にエンジンのミッション部分を円滑に動かすためのオイルが切れているという事です。
車が坂道を登りづらかったり力が弱いと感じる場合は、大体の場合は単純にオイルの補充で元に戻ります。
もう一つの原因である「CVTオイルを使っている場合」については、まず「CVT」とは無段階変速機のことであり、スクーターのミッションに使用されているものです。
スクーターにはギアが無く、大きなスクーターではアクセルを回すだけで100km以上ものスピードが簡単に出せてしまいます。
このCVT専用のオイルをATミッションへ入れてしまうと先ほど同様「すべり」が発生します。
しかし前述の症状とは明らかに違い、平坦な道でも違和感を感じる事も多くなってきます。
走行自体に変化はありませんが、ギアチェンジのショックが異常なほど大きくなったり、ギアチェンジを行わなくなったりと様々です。
この状態で登り坂へ進入してしまえば、回転数の認識はおろか、ギアチェンジすらも危ういため事故にも繋がりかねません。
ギアチェンジのショックが大きくなったり、ギアチェンジを行わなくなった場合は、すぐにCVTオイルを吐き出す必要があります。
至急、修理工場に依頼をかけましょう。
ギアチェンジに異常を感じたりする場合も坂道を登りづらく感じる場合と同様、単純にオイル交換を行うことで異常を軽減できる場合が多いです。
簡単な作業であり自身でも対応できますが、業者に依頼する場合でもオイルの持ち込みを行う事で値段が安くなります。
自身でオイル交換を行える方はそれが一番安くできる手段と言えるでしょう。
エアコンを使用している時に、坂道を登らない車・登りづらい

エアコンはコンプレッサーと呼ばれる動力により作動していますが、コンプレッサーを使用する場合にも動力を必要とします。
車の動力を走行以外の目的で使う場合、必然と車のパワーが分散され落ちるため、これにより坂道が登りづらくなっている場合が多いです。
余談ですが、エアコンを使用すると燃費が低下するのは、上記のように動力を必要としているためです。
通常時よりもエンジンの回転数が上昇し、ガソリンを多く使用するために燃費が悪くなってしまいます。
古い車や、長い間乗っている車は、この「エアコン使用」が原因で登りづらくなることが多いです。
修理するには車の「動力」自体を上げる必要があるため、エンジン交換などの大きな費用を必要とします。
この場合は既に車の寿命といっても過言ではないので、乗り替えも視野に入れ、考えていくとよいでしょう。

まとめ
坂道トラブルにおいて最も多くみられるミッションの異常。
そのミッション異常時の代表的な例を紹介してきました。
もちろんこの限りではありませんが、あくまでも代表例として捉えてください。
異常を感じているにも関わらず走行を続けていると、3000円未満のオイル代とそれらの入れ替えだけで済むはずが、ミッション自体の交換となってしまい10万円以上の費用が発生しかねません。
日頃から簡単な異音や異常に耳を澄ませ、違和感を感じた場合はすぐに修理工場へ持っていくことで車の寿命も長くなり、結果として維持費も安く抑えられるでしょう。
単純にこの場合の修理に必要な材料はオイル代のみで機材も必要ありません。
ガゾリンスタンドやお近くの整備工場で一瞬で解決できる場合がほとんどなので、持ち込みで行う手段が一番だと言えるでしょう。
このミッションは歯車構造になっているため、放っておくと歯車同士が削り合う事にもなりかねません。
そうなるとミッション全てを交換という事になり、予算も跳ね上がることが予想されるので、早急に対応した方がよいでしょう。
その他の理由は「動力の弱まり」です。
この2点が、車が登りづらい・登らない・スピードが出ない時の大きな原因ですので、
・ミッションに疑いがある
→すぐに修理工場に
・動力自体が弱まっている
この順番で考えていくことがベストだと言えるでしょう。