一昔前までは、全損になった車の行き先はスクラップと相場が決まっていました。
しかし、昨今のインターネットの普及や新たな業種の進出などによって、全損した車両でもお金を出して買い取ってくれる業者もいます。
ここでは、そんな業者がなぜ全損となった事故車を買い取ることが可能なのかと、その際にどのような業者を選ぶべきなのかについて詳しくお話します。
まずは「全損車両」の意味を間違えて取らないよう、その定義から解説していきます。
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事故車・全損車の「全損車両の定義」について

まず初めに全損車の定義を知っておかなければいけません。
自分の車が全損だと認識しているにも関わらず全損車ではないために、本来売却できた額よりも安くなっている可能性に気が付けるからです。
これには保険会社が定める定義と個人が定める定義で異なってきますので、それぞれを解説していきます。
保険会社が定める「全損車の基準」
車両保険に加入されたことがある方ならご存知かと思いますが、売却する値段よりも若干高めに設定されています。
例として、筆者の買い物車として所有している車が全損になった場合に支払われる保険額です。
【スズキ パレット】
・5年落ち ・走行距離 60,000km
・黒色 ・全損金額 105万円
売るにも買うにも105万円などという金額が提示されることは絶対にありません。
この指定された全損金額「105万円」を上回る修理費用が発生した時に、初めて全損として扱われます。
個人が定める「全損の基準」
これはあくまでも一般論ではありますが、修理費用が車の購入金額を上回った場合に全損と呼ばれることが多いでしょう。
ほとんどの場合は車に愛着が無い限り、同じような車を買ったほうが安くつきます。
先ほどのパレットを例に挙げますと、現在およそ60万円~70万円ほどの価格帯と思われますので、この金額を超える場合には全損と呼ばれます。
事故車両・全損車両を買い取ってもらえる理由

ヤフーオークションなどをみると一目瞭然ですが、中古部品が数え切れないほど出回っています。
もちろん個人での出品もありますが、大半は中古部品販売業者が出品しているものです。
この業者達は何らかの理由から廃車になった車から外された部品を買い取り、オークションやホームページで販売を行っています。
あくまでもこういった業者は転売業者なので、こういった業者に事故車を直接買い取ってもらうことはできません。
基本的にはこの前工程に携わっている業者に事故車を買い取ってもらうこととなります。
自動車解体業者を利用する
廃車になった車を解体し、部品を外して販売するのが解体業者です。
解体業者はCMなど広告を出すことは無く、宣伝は一切行わないためあまり広く知られない業者です。
見つけ出すことも難しく、時間や手間がかかってしまうために自ら探しに出ることは得策でありません。
しかし見つけることができれば、全損した車でも、使える素材や部品を把握してくれ、お金に変えてくれます。
中には事故車両を解体後、残りの物を「鉄」として買い取ってくれる業者もあるので、こういった解体業者に出会うことができれば大きなお金に変わることも珍しくないです。
このような専門業者の中で一番大きく、水没車などまで輸出してお金に変えている業者に「株式会社タウ」という業者があるので、参考までに見てみるのもいいかもしれません。
解体業者・輸出業者のマーケットに事故車・全損車情報を載せ、買い取ってもらう
解体業者や輸出業者はweb上で廃車情報や全損車両情報を回収します。
その後、その情報を元に、車のある場所に出向き、価格帯を決めて買い取っています。
この場合の輸出業者は、日本製の車の部品だけでなく、たとえ全損車であっても「素材」として海外に輸出する場合もあります。
なので、車の各部品のみ買い取ってもらう場合よりも高値で買い取ってくれるケースが自然と多いです。
現代では一般的に「輸出業者」と聞くと輸出のみを専門としている業者のイメージですが、車の業界ではすでに「解体業者」も輸出をしているところもあります。
結果、ユーザーにとって一番メリットが大きくなるのはこの、
・部品や車の素材を海外に輸出
・解体後の車の部品を転売
この両方に対応できる手段を持っている専門業者を選ぶことです。
今現在の日本で一番輸出先が多く、実績も事故車専門業者の中ではNo.1となっているが「株式会社タウ」ですが、この中には全損車や事故車の買取などの「シュミレーター」もあるので、依頼せずともすぐに概算額までは見ることができます。
参考に見てみるのもいいかもしれません。
まとめ
まずは全損の定義を理解し、自分の車の状況を把握しましょう。
そして、どのような事故でも再利用可能な部品は必ず発生する事を常識として捉えてください。
前面の事故であるなら、側面と後面。
後面であるなら側面と前面といったように、壊れている箇所は使用せずに綺麗な部品だけを販売することも可能です。
「部品」として買い取ってくれる業者や「素材」として買い取ってくれる業者など様々です。
ただ、こういったことは特殊になるため、知識の薄い人がほとんどなので、必ず一度事故車でも全損車でも専門家を呼んで買い取る範囲なのか、輸出できる品はあるのか判断してもらうべきです。
こういった専門業者は無料で出向いてくれるので、使い勝手が非常にいいです。
その逆に「買い取ってもらえない」と疑わないのが一般のユーザーに非常に多いです。
この状況を逆手に取る業者も存在します。
こういった知るべき真実をしっかりと把握して、知るべき業者を知れば、物によっては100万円を超える値段で買い取ってもらえる事故車両も普通にあります。
まずは信頼できる専門業車に相談し、実際にみてもらうことが一番の近道です。
自身で決めつけて判断し、廃車料金をただただ払う事は絶対にやめましょう。