車の傷の修理には、高額な費用が発生することが多々あります。
しかし複数回に分けて修理するのではなく、1度に複数箇所の修理を行えば相当の割引があることはあまり知られていません。
今回はこの、車の傷修理の割引のメカニズムについて解説していきます。
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なぜ車の傷は複数箇所を同時に修理すると『割引』が発生するのか

どのような行動にも必ず時間は必要になってきます。
仕事であれば時間を価値として捉えることで、労働時間の管理や給与に影響を与えますので、おのずと時間=価値となっています。
車の修理に関しても同様ですが、車の修理において1度にまとめて作業を行うことは、非常に多くの時間を短縮することができるのでこのぶん割引に繋がってきます。。
仮に保険修理の場合は、鈑金工場の時間単価(アワーレート)は3000円~4000円程度です。
各自治体の最低時給によって算出されていますが、最低時給が高ければ高いほどアワーレートも上昇することになります。
一時間の作業で3,500円と仮定し、パネル2枚を脱着、分解、塗装を行う時間はおよそ3時間~4時間程度ですので、10,000円以上の費用が発生します。
こういった「時間のみが短縮される」だけでも、大きな修理価格の変動が出て、そのぶん割引が可能な範囲となってくるわけです。
車の傷修理を各工程からみて「どのくらい割引可能か」の詳細

では、その割引幅はどのくらい影響してくるのでしょうか。
工程を踏まえて一部ご紹介していきます。
車の傷修理・割引枠『塗装工程ver.』
車の傷修理において最も割引率の大きい工程が「塗装」になります。
塗装を行う際には必ず調色(色合わせ)をしていきますが、同車種の同色であっても実際に比較すると色は必ず違います。
洗車の有無やコーティングなどで塗装を保護していなければ塗装は退色していきますので、各車に対して調色をしていく必要があります。
調色にかかる時間は1時間~2時間程度。
別々でやればここでもさらに費用が発生してしまいます。
さらに、塗装中に塗料が足りなくなることは絶対に許されないので、余分に塗料を作るのが普通です。
この余った塗料は廃棄してしまいますが、代金には入っています。
このような塗料代の観点からも、複数箇所を同時に修理することで、塗料代も自然と少なくなるので、割引が可能です。
さらに、自動車の塗装には1コート、2コート、3コートと呼ばれる塗装があります。
3コートは新車価格に10万円程度上乗せされている塗装色を指しますが、この場合3コートで使用される塗料は3種類使用することになります。
必然と塗料使用料も増えるため、単一箇所のみの修理では費用がかさむことも想像できると思います。
逆に複数箇所の修理で3コートの塗装を行えば、3種類分の割引が行われます。
高い費用がかかる3コートですが、自然と割引幅は一番大きくなるでしょう。
車の傷修理・割引枠『鈑金工程ver.』
本来、塗装と比較した場合の鈑金工程の利益率は60%程度とかなり低くなっています。
基本的に鈑金工程では車の色によって鈑金方法を変えることはありませんので、純粋に修復箇所のみを修理していくという流れになります。
その過程で「この箇所は取り外し、この箇所は取り外さない」ということが往々にして発生してきます。
これをまとめて傷修理することにより、この作業においても無駄な取り外しが少なくなり、数時間は短縮できることになります。
その分割引になるので、数万円程度は見込めるでしょう。
まとめ
単一箇所だけではなく、複数個所を同時に修理することで割引があることを理解いただけたでしょうか。
普段の生活環境と同様に、自動車修理においても同時に行うことで相応の割引があります。
気になる箇所があれば、無理の無い範囲で同時に修理を行うよう、修理業者に相談することで、単一箇所の作業をするより得なことが理解できることでしょう。
金額に関してもその分発生してしまうので、一度車の傷を修理する上で取り外し作業があるのであれば、何箇所か一度でやってもらうことをオススメします。
その分割り引きされます。
逆に、業者側が修理が終わり、完成後に「ここの箇所がこういった具合だからやったほうがいい」など、後出しにしてくることがあります。
後出しにされると、また車をバラしたりする作業が発生するため、それだけで数万円の損をしてしまい、業者は儲けます。
そのことをしっかり理解した上で、そういった業者に気をつければ、今後の車生活がより快適になることでしょう。