車の全塗装を業者に行ってもらうには、綺麗になる反面、大変高額な費用が発生します。
自らが行うにも様々な用具が必要になり、一式揃えるだけでも高額になってしまうでしょう。
「安く簡単に」
などと思いローラーなどを使用して、ペンキで塗装する方もいますが、実はあまりオススメできない補修方法です。
今回は、車をペンキで塗装した、ペンキで塗装したい。
このような方に向けて、様々な角度から解説していきます。
ペンキを使用して塗装することのメリット・デメリット

まず初めに伝えておきます。
ペイントを使用して塗装することのメリットは「安く済む」ただそれのみです。
逆に、ペンキを使用することのデメリットはいくつかに分けられます。
・綺麗にならない
・再塗装費用が高額
・車の市場価値の低下
以上の3点がデメリットとして挙げられます。
それぞれの詳細をお伝えして行きます。
綺麗にならない
床や壁、木材などを塗装したことがある方ならご存知かと思いますが、ペンキでは車のようにツルッとした塗装には仕上がりません。
ローラーやハケを使用すると必ずスジ状になりますし、塗料に空気も入ってしまいます。
本来、塗装というものは最終工程でツヤを出すために塗装をします。
木材に関しても高級家具は専用の塗料を霧状に噴射し、均等に吹き付けて塗装していきます。
自動車でももちろん同じように塗装していきますので、業者がローラーなどを使用することは絶対にありません。
よって、ペンキを使用する場合、ツヤなどがでず、綺麗に仕上げることは不可能です。
再塗装費用が高額になる
自らがペンキを使用して塗装を行った場合、間違いなく後悔するでしょう。
先ほどの「綺麗にならない」も同様に、業者に再塗装を依頼した際の金額が計り知れません。
一般的には再塗装は15万円程度からですが、これがペンキ塗装を行っているとなれば倍以上の費用が発生するでしょう。
本来であれば旧塗膜の上へ塗装を行いますが、ペンキが塗装されてあれば一度剥がさなくてはなりません。
この剥離作業に膨大な時間を費やすために費用が高額になります。
ペンキを剥がすだけで2日、さらに窓やモール類に付着していれば、これらも剥がさなければなりません。
※ペンキ使用面積が小さければ、剥離作業の時間も短くなるため、その分安くなります。
その後、剥がし終えた塗装表面はデコボコですので、ボディに平坦な面を作る作業に移らなければなりません。
このあたりからようやく一般的な全塗装工程の始まりになりますが、全面ペイントした場合の再塗装費用はおよそ3倍~4倍程度でしょうか。
本来、全塗装費用が15万円として、45万円~60万円。
ペンキ塗装は絶対に行わないようにしましょう。
市場価値の低下
この市場価値の低下は、単純に塗装が汚いから安くなるということです。
購入者は、安くても良いものを求めていますから、安くても汚いものに市場価値はありません。
高年式、高級車であれば、さきほどの高額な全塗装費用を差し引いても価値はありますが、一般的な車では「ただの鉄屑」になってしまいます。
ペンキで塗装されているため、ドアやバンパーなどにも中古部品としての価値も無い。
海外へ輸出してもあまりにも汚いため、売れない。
など、ほぼ全てが無価値になるでしょう。
唯一、エンジンルーム内の部品に関しては利用価値はありますが、中古部品になるため、全て合わせても5万円以下となるでしょう。
インターネットを利用することで、購入希望者が現れる可能性はありますが、一般的な中古車販売店での買い取りはほぼ不可能となるでしょう。
まとめ
このように、自らがペンキを使用して塗装することによるメリットはなに一つありません。
傷などの補修であれば、カー用品店で販売されているタッチペンを使用する程度に抑えましょう。
ペンキで塗装を行うことはリスクでしかありませんので、それならば、リスクの軽いタッチペンなど、凹凸もでず、剥がしやすい塗料が良いです。
いずれも綺麗な仕上がりにはなりませんが、予算は格安で行えます。
しかし、ペンキの範囲が小さければ売買できる部品や素材は大いにありますが、広範囲塗装の場合は非常に難しくなってきます。
車の内部までは流石にペンキも行き渡ってないとするならば、部品を専門と扱う「廃車や不動車専門業者」に買取依頼するべきですね。
「車」として売るには価値が圧倒的に下がるため、内部の部品を売る売買方法も考えて、各企業の提示額をみていくべきでしょう。
それ以外の方法は、大金がかかりますが、塗装を業者に依頼するか、ペイント部分の素材を中古部品と変えてもらうことをオススメします。